こんにちは。
アパレルショップの店長として働いていたものの、店長という仕事に疲弊してしまい、仕事を辞めた経験がある32歳の女性です。
私は、全国チェーンで展開する某アパレルショップで、3年間店長として働いていました。
もともとファッションが好きで、憧れのアパレルショップのスタッフとして働きたいと思い入社した経緯があります。
毎日楽しく働き、徐々に自分目当てに足を運んでくれる常連さんも増えてきたりと頑張りが認められ、正社員からチーフを経て、比較的トントン拍子に店長に就任しました。
しかし、私はもともと店長を目指していたというわけではなく、ただ服が好きで、楽しく接客の仕事がしたいという思いの方が強かったのです。
そんなわけで、店長として働いているうちに仕事の楽しさよりも、仕事量の多さや責任感など辛い気持ちが上回り、体を壊しかけてしまったので、思い切って仕事を辞める決断をしました。
この辛さというのは、アパレルでも飲食店でも、小売業であれば全ての店長さんに当てはまることとして、同じように悩みを抱えている人は多いと思います。
今回は、そんな私の実体験をもとに、店長を辞めたいと考えているあなたに向けて、店長を辞めるための方法をお伝えします。
では、早速ですがまいりましょう。
そもそもあなたはどうして店長を辞めたいの?
「まずは、自分がどうして店長を辞めたいのか、しっかりと自覚しておくことが大切です。」
なぜなら、辞めたい理由を明確にしておくことで、納得して辞める決断をすることができるからです。
また、自分が辞めたい理由をしっかりと知っておくことで、次に仕事を探すとき、同じような職場環境や労働環境を選ばないようにするための基準や条件を知ることもできます。
下記では、実際に店長として働く多くの人が抱える仕事の悩みについてお伝えしますので、共通する部分があるかチェックして見ましょう。
お店の売り上げに責任を感じるので辞めたい
特に大きな店舗で働いていたり、商品数が多いお店に勤めている人は、それぞれ担当するコーナーが分類されていることが多いです。
例えば、ライフスタイルショップで働く中でのキッチンコーナー担当、ベビーコーナー担当、インテリアコーナー担当といったように担当が別れていたり、
スーパーなどでも野菜部門、肉部門、お菓子部門など、それぞれの担当責任者がいることがほとんどです。
店長は、そういった全てのコーナーの売り上げについて担当責任者と話し合いをすることはもちろん、お店全体の売り上げについて考えなければなりません。
もともとスタッフとしてひとつのコーナーのことだけ考えていればよかったものの、昇格して店長になったことでいきなり今までの何倍もの売り上げについて考えなければいけなくなり、
責任やプレッシャーを感じてしまったり、中には売上のために店長自ら地腹を切って商品を購入してしまう・・・
といった経験がある人も少なくはないのが実際のところです。
スタッフとうまく連携が取れないので辞めたい
店長として働いている人の仕事は、小売業・サービス業でシフト制であることがほとんどです。
そのため、働くスタッフも正社員はもちろん、派遣社員やアルバイトの学生など、様々な人たちと関わることが多い傾向にあります。
ただ、そういった職場環境から、
「自分の知らないところで会社の機密情報をSNSにアップされていた・・・」
「アルバイトの学生が教えたことをいつまで立っても覚えてくれず仕事がやりにくい・・・」
「正社員と派遣社員の人の連携がうまくいっておらず、職場の雰囲気が悪い・・・」
など、人間関係の面でも様々ないざこざや、問題が起こることが多いです。
そのような人間関係をうまくまとめることができず、スタッフが次々に辞めてしまいプレッシャーを感じる、店長という立場から自分自身が他のスタッフに嫌われているような感じがして辛い・・・
という風に感じてしまったことはありませんか?
仕事量が多い割に給料が少ないので辞めたい
店長として働いていると、お店の売り上げのことを考えることはもちろんですが、それ以外にも新人教育についての方針を決めたり、細かい事務作業があったりと、とにかくやることが多いです。
お店の営業中に終わらせようとしても、スタッフに呼ばれたり、店内のチェックをしたりと、中断せざるを得ないことも多く、一向に自分の仕事が終わりません。
そのため、持ち帰って家で仕事をしたり、残って残業をしてでも作業を進めないといけないという状況に陥ります。
さらに、店長としてできる限り残業はなくしたいという思いから、それらの仕事はサービス残業でやってしまうことがほとんど。
長時間労働をしても、給料は変わらない、少ない上に、プライベートの時間までかなり削られてしまうということから辞めたいと感じている人は多いです。
休みの日でもお店から連絡が来るので辞めたい
お店で大きなクレームや、急ぎの用事があると、たとえ休みの日であっても連絡が来るということは日常茶飯事。
店長として誰もが経験していることなのではないかと思います。
そのように頻繁に連絡が来ると、休みなのになかなかゆっくりできず、常に仕事のことを考えざるを得ません。
そんな理由から、仕事と休みのメリハリがなかったり、リラックスできるときがほとんどなく、精神的にまいって辞めたいと感じたことがある人は非常に多いです。
実際に店長職をやめた人の体験談を紹介します
店長を辞めたい理由を確認したところで、実際に上記のような理由から仕事を辞めた人の体験談についてお伝えします。
リアルな声をぜひ今の自分と照らし合わせて考えて見てくださいね!
Aさんの体験談
「とある雑貨屋で、店長兼エリアマネジャーを任され、自分の店舗だけではなく、チェーン展開しているお店全店の売り上げや経営方針についても考えなければなりませんでした。
毎月全国様々な店舗に出向いて指導したり、店長を集めて会議を開いたり。
なかなか自分の店舗に居られる時間は少なかったものの、それでもエリアマネージャーがいる店舗として全国のお手本になるような店舗にしなくてはと、
自分をどんどん追い込み、鬱病に近い状態になってしまいました・・・
そんな状況になっても責任感から仕事を休むわけにはいかないと、無理やり働き、ほとんど家にも寝に帰るだけの状態が続いていました。
結婚して3年だった夫とも、仕事を理由に関係が悪くなりついには離婚。
あるときふと電池が切れたように、なんのために自分は仕事をしているのか、大切な人を失ってまで没頭しなくてはならなかったのか、と考え涙が止まらなくなりました。
そこから退職を決意し、ストレスやプレッシャーからは解放されましたが、店長として辛い思いをしながら働いていた時期は、
得られたものより失ったものの方が圧倒的に多かったと感じています・・・
もっと早く大切なものに気づいて、辞められていればと今でも後悔しています。」
Bさんの体験談
「店長としての仕事を続けるのは厳しいと感じ、思い切って退職を申し出ました。
しかし、案の定辞めないで欲しいと何度も引き止められ、今よりも条件をよくするということで話を聞いてみると、仕事量は多少減ったものの、給料まで減らされて店長なのに手取りで13万・・・
正直なところ、バカにされたような感じがしてしまい、迷いも全て消え後腐れなく辞める決心ができました。
今では、店長として身につけたお店の売り上げについての知識を生かし、店舗コンサルタントとして働いています。」
Cさんの体験談
「店長としての仕事が大変すぎて、本当にプライベートがない日々を送っていました。
旅行が趣味だったにも関わらず、店長として務めた4年間は一度も宿泊を伴う旅行に行くこともできず、かなりストレスが溜まっていました。
その反動で、辞めた後3ヶ月間は自分のためだけに時間を使う!と決め、アメリカやイギリスなど、数カ国を一人旅しました!
とてもリフレッシュでき、やっぱり自分は海外が好きだと再確認できたので、転職先は海外と接点のある商社か、海外転勤がある仕事に就きたいと考えています!」
店長を辞めたいと思ったら、準備しておくべきこととは?
店長を辞めるべき理由が明確になったところで、実際に店長を辞めようと思っているあなたがとるべき行動について、お伝えしていきます!
参考にすることであなたが店長を辞めるときの手助けになるはずです。
異動願いを出す
店長の仕事は辞めたいけど、今の職場や仕事が好きという人も中にはいることでしょう。
そういった場合は無理に退職せず、人事部や上司に相談し、職場の中で働き方・環境を変えられるよう話してみることがおすすめです。
そこで、本社への移動願いを出し、バイヤーや広報など、店舗での経験を活かせる職種に変えられるよう伝えてみましょう。
同じ会社の中でも、職種や環境が変わることで今まで感じていたストレスや悩みが改善されるということは良くあることです。
さらに、会社としても、店長として信頼され、実力のあるあなたを辞めさせるくらいならば希望の部署に異動してイキイキと働いて欲しいと思うことは間違いありません。
なので、辞めることを考える前に、別の部署・職種であれば残ってもいいと思えれば、その旨を伝えてみましょう。
辞めると決めたら意思を貫き、きっぱり伝える
辞めることを伝えたとき、ほぼ100%の割合で引き止められることと思います。
責任感があるあなたは、頼られると自分を犠牲にしてでも頑張ってしまうということはありませんか?
人のために頑張ることは、もちろんとても素敵なことです。
しかし、何よりも大切なのは自分自身。
自分自身が幸せでないとお客様を幸せにすることができません。
自分を苦しめてまで仕事を続けて、体調を崩したり、家庭環境が悪くなってしまっていては、本末転倒なのです。
そもそも、「辞める権利」は、以下の通り法律で保証されています。
「民法第627条より
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。」
このように、法律で定められているため、きちんと連絡を入れさえすれば、会社側に引き止められても、辞めることを受け入れられなかったとしても、店長を辞めることができます。
そんな風に、引き止められたり、辞めることを認めてもらえなかったとしても、就業規則よりも法律の方が重要なので、問題ありません。
ただし、引き止められて心が揺れるということは良くあること。
それでも最初にしっかりと意思を固めておき、ブレることなく貫き通しましょう。
実際に辞める時期について決めておく
今すぐ辞めたいのは山々ですが、中にはこのイベントが終わってから、この季節が終わってから、など辞めやすい時期がある人もいると思います。
その辺は、店長としてお店のことをよくわかっているあなたであれば、判断しやすいのではないかと思います。
絶対に辞めると決めたら、できるだけ早めに予定を立て、自分が抜ける穴をどう埋めるのか、また仕事の引き継ぎをどうするかなど、次の後継者のことを考え早めに動くことが大切です。
しかし、あのイベントが終わったら辞める!
と思っていても、お店を運営している以上、イベントや季節の特集などは常にあると思います。
タイミングを逃していつまでも辞められないくらいであれば、後のお店のことは考えず、今すぐ伝えてしまうのも手です。
辞めた後の自分を考える
店長を辞めたい気持ちはあるものの、実際に辞めたら次に雇ってくれるところはあるのか・・・
他に自分に向いている仕事がわからない・・・
そんな風に考えている人も多いのではないかと思います。
しかし、安心してください。
世の中にはあなたが思っている以上に多くの仕事がありますし、店長として経験してきたことを活かせる職業もたくさんあります。
中でも新人教育や社員の育成で身につけた「マネジメント力」や、売上を伸ばすための「マーケティング知識」などは、どの企業にも通用する最大の強みです。
例えば、人と関わりその人の強みや能力を最大限に発揮できる仕事を探すためのお手伝いをする転職エージェントのキャリアアドバイザーや、
店舗コンサルティングの会社でコンサルタントとして売上に悩みを抱えているお店にアドバイスをする仕事など。
今の職場以外でも、あなたを必要としている企業はいくらでもあるはずです。
なので、1つの企業に縛られず、視野を広げて働き方について考えてみることもおすすめです。