「実家が農業を営んでいたため、自分も農家の仕事をするものだと思って育った20代の男です。
そんな理由から、なんとなく農業系の大学を卒業して、卒業後はすぐに実家の農業を手伝うことにしました。
本当に実家が農家だからというだけで仕事を選んでしまったので、正直働き始めてからかなり後悔しているところがあるのが本音…」
そのため、同じように実家の農業を継いで、若いうちから農家で働く人の気持ちがよくわかります。
そんなあなたも、実際に一度は農家の仕事をやめたいと感じたことがあるのではないでしょうか。
今回は、そんな風に密かに「農業を辞めたい」と考えているあなたに向けて、転職で失敗しないための心得をお伝えします!
では、早速ですが、まいりましょう。
そもそも、どうしてあなたは実家の農業を手伝うことを辞めたいの?
「まずは、自分がどうして農業を辞めたいと思うのか、しっかりと自覚しておくことが大切です。
なぜなら、辞めたい理由を明確にすることで、次の仕事を探すときに、また同じような職場環境や労働環境を選ばないようにするための基準や条件を知ることができるからです。
下記では、実際に農業を仕事にしている多くの人が抱える仕事の悩みについてお伝えしますので、共通する部分があるか考えてみましょう。
関わる人の年齢層が高く価値観が違いすぎるので辞めたい
実家を継ぐために農業に入ったという場合、仕事で関わる人というのは、両親が大部分を占めます。
また、実家以外の農家に就職した人も、関係のある取引先や、近くで同じように農業を営んでいる人など、様々な人との関わりがあると思います。
そういった人との関わりの中でも、70~80歳など、ご高齢の方も多いのが農業で働く人の特徴です。
自分よりもかなり年上の人とか変わっていく中で、価値観の違いや、考え方のギャップに悩む人は多いのではないでしょうか。
とくに、年齢層の高い人の中には、頑固で考えを曲げない人や、新しいことを頑なに取り入れようとしない人など、昔ながらの考え方を大切にしている人も多いです。
そういった中で、理不尽なことで怒られたり、自分の考え方を否定されてしまい、人間関係に悩むということは、幅広い年齢層の人がいる農業の世界で多くの人が経験しています。
後継の道具としてしかみてもらえないのが辛くて辞めたい
実家の農家で働いている場合、両親はとにかく後を継いでもらいたいという気持ちが強く、自分自身の能力や考えを尊重してくれない…
自分の子供だからといって十分な給料をもらえず、やりがいもあまり感じられない…
そんな風に悩みを抱えている人も多いところが、この仕事の問題点だと思います。
両親から家業を継ぐとなると、どうしても今まで通りのやり方や両親の意見に縛られ、自分の意見は全く聞いてもらえないということも良くあることなのです。
そのような窮屈かつ不自由な環境に嫌気がさし、辞めたいと感じている人は多いのではないでしょうか。
天気や気候に左右されすぎて辞めたい
せっかく大事に育ててきた野菜が台風の影響で一瞬にしてダメになってしまった…
猛暑の中、毎日外で仕事をしなくてはいけないことに耐えられない…
そんな風に、自分がどんなに頑張ったり、愛情を注いでも天気や気候によってはその努力も一瞬で水の泡になってしまうことがあります。
また、育ててきたものがダメになるだけではなく、結果的に、農作物が収穫できず、販売できなくなってしまったり、収入の面でも大幅に変動してしまうことになります。
そういった理由で、努力が収入に繋がらなかったり、人間の力ではどうにもならないということも多いので、もっと安定した仕事に就きたいと感じる人も多いです。
農業を辞めたい人達のリアルな声とは?
では次に、農業を辞めたいと思っている人達のリアルな声についてご紹介します。
下記では実際に農家で働く8人の本音をお伝えしますので、自分にも共通する部分があるかチェックしてみましょう。
あまりにも重労働すぎる
「働いている人は年配の方が多いため、必然的に自分に重労働が回ってきます。
最初は頼られて嬉しい、頑張ろう!という気持ちでやっていましたが、毎日あまりにも重労働が多いため、キツイと感じるようになりました。
あるとき、ちょっとした不注意から腕を痛めてしまいましたが、それでも自分が重いものを運ばなくてはならず、そろそろ我慢の限界です…」
「真夏の炎天下の中で、作業をしなくてはならないことが一番辛いです。
いくら水やりをしても暑さですぐにカラカラに乾いてしまい、何度も水をあげないといけないため、自分が熱中症になってしまいました。
正直なところ、農業よりもクーラーの効いた部屋でできる仕事がしたいと思ってしまいます。」
金銭的な問題に不満がある
「手間暇かけて一生懸命農作物を作っているにもかかわらず、年配の経営者がお人好しで、きちんとビジネスのことを考えて販売ができていないと感じます。
そのため、かなり安い値段で提供してしまっていて給料も低いです。
価値のあるものとして、もっと高値でもいいのではと提案しても、その人の長年のやり方やポリシーがあって一向に話を聞いてくれません。」
「天候によって取れる量や質が大きく左右されたり、収穫できるまでの期間が長いと、その間は収入に繋がらないということも多いです。
そういったことから、給料は常に不安定で、金銭面の不安は消えません。」
害虫や動物など食害が辛い
「一生懸命育てていたトウモロコシが、タヌキに食い荒らされてほとんどダメになってしまったことがあります・・・
ネットを張ったりと対策もしていたにもかかわらず、ちょっとした隙間から入ってきてしまったようでした。
しっかりと対策をしていてもやられてしまうということは意外と多いらしく、何事もなかったかのようにその話はすぐに終わりましたが、自分にとってはかなりショックです。」
「農家で働いているものの、虫が苦手でどうしても慣れません。
夏は特に害虫が多いので、苦手なものを我慢しながら仕事をするということは、結構辛いです。」
そもそも農業が好きではない…
「実家の農家を継ぐということが暗黙の了解のようになっていて、そうなるべく農業を手伝っていました。
しかし、仕事が全然楽しくなく、とにかく親に言われたことを淡々とこなすという感じでやりがいもありません。
このまま後を継いで一生この仕事をしなくてはならないと思うと憂鬱で逃げたくなります。」
「憧れて農業の仕事に就いたのはいいものの、理想と現実のギャップに気持ちが追いつかず、どんどん嫌になっていってしまっているような気がします。
仕事として実際にやってみて、やっぱり農業は年をとってから趣味でやりたいと感じ、最近こっそり転職活動を始めました。」
農業を辞めたいと思ったら、準備しておくべきことは?
農業を辞めたいという理由が明確になったところで、実際にやめようと思っているあなたが取るべき行動についてお伝えして行きます!
参考にすることで、あなたが農業を辞めるときの手助けになることでしょう。
家族や地域に縛られすぎない
農業を辞めたいと思っても、実家の仕事を手伝っていたり、地域の人との関わりが多かった場合、なかなか辞めたいとは言い出しにくいですよね。
しかし、正直なところ、実家や地域に縛られすぎて自分のやりたいことができないのはおかしいのです。
もちろん、両親や地域の方にお世話になって育ってきたと思います。
しかし、だからと言って一生親の命令に従って行きていくなんてことにならなくて大丈夫です。
なので、言いにくいとは思いますが、きちんと家族に相談してみましょう。
ただただ嫌だから辞めたいというのではなく、きちんと辞めたい理由や、辞めた後の未来を話すことで、納得してもらえる確率も上がります。
農家の仕事に関わりのある企業への転職を考える
農業で得た知識や流通に関する現場を生でみてきたからこそ、その知識や経験を活かせる仕事があります。
例えば、小売業や食品メーカー、食品加工会社や流通関係の仕事など。
実際に農家の仕事を経験したことで、誰よりも食の安全への意識が高かったり、自分が経験してきた知識を生かすことができたりと、やりがいも感じられることと思います。
自分のやりたいことや得意なことを考慮した上で、転職先を考えてみましょう。
転職エージェントを上手に活用して転職活動をしよう
農家で働いていると、どうしても近くに転職の相談ができる人がいなかったり、面接に行こうにもお金や時間がかかってしまいますよね。
そういう時こそおすすめなのが、転職エージェントを上手に利用しながら転職活動を進めて行くことです。
一人で悩まず、ぜひ転職のプロに相談しながら自分が納得のいく就職先を見つけてみましょう。